連載小説

「ボクの医シャ修行」久坂部 羊

まだ半人前にも満たない研修医「医シャ」だった頃の、大学病院での青く、苦く、そして滑稽な日々を振り返るエッセイ。2021.9〜2022.10

「冴えてる一言 〜水木マンガの深淵より」久坂部 羊

少年のころから水木しげる作品に親しみ、その影響を公言してはばからない久坂部羊が、水木マンガに登場する名セリフの真意にせまります。2020.7〜2021.7

●このWEB連載が書籍になりました!
『冴えてる一言~水木しげるマンガの深淵をのぞくと「生きること」がラクになる~』 光文社 2022.2
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「オンリー・イエスタデイ」久坂部 羊

児童から青年となるまで、つねに刺激を受け畏怖の念さえ抱いていた奇才の「親友」との出会いともつれ。小説家久坂部羊の着眼と発想の原点を回顧する青春エッセイ。2018.4〜2020.7

著作一覧

  • MR

    『MR』(上)(下)
    幻冬舎文庫 2023/4/6

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    中堅製薬会社のMRである紀尾中は、自社新薬の「診療ガイドライン」第一選択Aグレード決定のために奔走する。決まれば年間売上1000億円超のメガヒット商品となる。難攻不落、MR泣かせの大御所医科大学長からようやく内定を得た直後、外資ライバル社の鮫さめじま島による苛烈で卑劣な妨害工作で一転、新薬はコンプライアンス違反に問われる…。

  • オカシナ記念病院

    『オカシナ記念病院』
    角川文庫 2022/12/22

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    島民の健康向上に奔走する若き研修医・新実一良。「がん検診」「在宅医療」「認知症外来」など新たな施策を試みるも、意外な問題点が次々と明らかに…?!現代医療に一石を投じる著者渾身の医療エンタメ!

  • 冴えてる一言

    『冴えてる一言~水木しげるマンガの深淵をのぞくと「生きること」がラクになる~』
    光文社 2022/2/22

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    妖怪マンガで有名な水木しげるだが、これは水木作品のほんの一側面にしかすぎない。水木マンガの真髄は、本質をえぐる鋭い人間観察と、時には非情なほどシビアなリアリズムにある。小学4年生以来、半世紀にわたって水木マンガを愛読する著者が、マンガ的なおかしみに包まれつつも、マンガの枠を超えて哲学的な域にさえ達している水木作品の名言・箴言を、厳選しお届けする。大人になったからこそわかる、刺さるセリフがある。

  • 介護士K文庫

    『介護士K』
    角川文庫 2020/12/24

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    老人ホームで次々起こる転落死。これは事故なのか、それとも...。 介護施設「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生した。事故の状況に違和感を覚えたルポライターの美和は、第一発見者の介護士・恭平の関与を疑う。 恭平は「長生きで苦しんでいる人は早く死なせてあげたほうがいい」と公言していた。彼の過激な思想から生じた殺人事件なのか?介護現場の厳しい現実を知って美和の疑惑が揺らぐなか、第二、第三の死亡事故が発生し、事態は意外な展開に...。実在の事件から着想した衝撃作。

  • 老乱

    『カネと共に去りぬ』
    新潮文庫 2020/7/29

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    カミュ、カフカ、夏目漱石...文豪オールスターズが医療業界に殴り込み!ある朝、心が毒虫のように変容した外科医の葛藤を描く「変心」、安楽死を遂げた妻が託した遺言の謎を追う「予告された安楽死の記録」、高級老人ホームを舞台にした資産家達の老いらくの恋と分断の物語「カネと共に去りぬ」など、世界の名だたる文学作品を換骨奪胎! 現代医療の嘘と欺瞞を鋭く抉る、劇薬揃いの異色短編集。

  • 老乱

    『老乱』
    朝日文庫 2020/1/7

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    在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。 老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な"真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。

  • 介護士K

    『テロリストの処方』
    集英社文庫 2019/10/18

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    「勝ち組医師」を狙った連続テロ事件なのか―事件現場には「豚ニ死ヲ」という言葉が残されていた。そして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも脅迫状が届く。同期生で医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。高額医療で高収入を得る医師と、失業してホームレスになる者に二極化する医療界。その闇にある陰謀を暴く医療ミステリー!

  • 介護士K

    『介護士K』
    KADOKAWA 2018/11/29

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    介護施設「アミカル蒲田」で入居者の転落死亡事故が発生した。高齢者虐待の疑いを持ち、調査を始めたジャーナリストの美和は、介護の実態に問題の根の深さを感じていた。やがて取材をした介護士・小柳恭平の関与を疑った美和は、再び施設を訪れる。恭平は「長生きで苦しんでいる人は早く死なせてあげた方がいい」という過激な思想を持っていた。そんななか、第二、第三の死亡事故が。高齢者医療の実態に迫り、人間の黒い欲望にメスを入れる問題作!

  • 院長選挙

    『院長選挙』
    幻冬舎 2017/8/24

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    国立大学病院の最高峰、天都大学医学部附属病院。その病院長が謎の死を遂げる。死因は不整脈による突然死という公式発表の裏で、自殺説、事故説、さらに忙殺説がささやかれていた。新病院長の候補者は4人の副院長たち。新病院長の座に着くのは誰か? 選挙運動真っ盛りのその時、院長の死に疑問を持った警察が動きだした…。

  • テロリストの処方

    『テロリストの処方』
    集英社 2017/2/3

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    医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。若くして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも、脅迫状が届く。医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。三人は医大時代の同級生だったのだが...。
    ●刊行記念インタビュー
    「RENZABURO」

  • 反社会品

    『反社会品』
    角川書店 2016/8/31

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    法に護られた高齢者と、死にものぐるいで働く若年層に分断された社会。若者は圧倒的な劣勢で。(「占領」)「働かないヤツは人間の屑!」と主張する愛国一心の会が躍進した社会で、病人は。(「人間の屑」)七編。

  • いつかあなたも

    『いつか、あなたも』
    実業之日本社 2014/9/11

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    在宅医療専門クリニック看護師のわたし(中嶋享子)と新米医師の三沢、クリニック院長の一ノ瀬らが様々な患者本人と家族、病とその終焉、そして安楽死の問題にも向き合う。カルテに書かれることのない医療小説、六つの物語。
    ●『いつか、あなたも』によせて


  • 悪医

    『悪医』
    朝日新聞出版 2013/11/7

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    ●第3回日本医療小説大賞受賞作
    「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。 がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郎はがんが再発したあと、外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。「私にすれば、死ねと言われたのも同然」と、小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。ひくにひけない命という一線を、患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。

    白羊

  • 思い通りの死に方

    『思い通りの死に方』
    幻冬舎新書 2012/9/28

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    中村仁一氏との共著。現役医師2人が、誰も本当のことを言わない高齢者の生き方・老い方・逝き方を赤裸々に語り合った。医者の多くがなぜがんになるのか? 大往生は可能なのか? 等々、生死の真実がわかる一冊。

    黒羊

  • 廃用身

    『廃用身』
    幻冬舎文庫 2005/4/21

    廃用身とは麻痺して動かず回復しない手足をいう。患者の同意の下、廃用身を次々と切断する医師漆原。告発するマスコミ。はたして漆原は悪魔か?久坂部羊の衝撃的な小説デビュー作。

    ●文庫で読む医療小説(日刊ゲンダイDEGITAL)

  • R.I.P

    『砂の宮殿』
    KADOKAWA 2023/3/17

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    「6,000万円ぐらい、命の値段としては高くもないだろう」
    外科医の才所准一は、大阪で海外富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。 抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともに最先端のがん治療を提供し、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりに訪ねてきた顧問が不審死を遂げる。 これは病死か事故か、それとも――。 高額な治療費への批判も止まず、クリニックに吹き荒れる逆風に、才所はどう立ち向かうのか。

  • R.I.P

    『寿命が尽きる2年前』
    幻冬舎新書 2022/11/2

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    2年後に死ぬとわかったら、あなたは何を想うでしょう。この時点で〝いつまでも元気で長生き〟という理想の選択肢は失くなります。だが、うろたえ、嘆き続けるわけにもいかない。たった一度の人生を終えるのです。もっと大事なことがあるはずです。人はみな自分の寿命を生きる。そもそも寿命とは何か。戦後一貫して日本人の平均寿命は延びている。自分の寿命はどこまで延ばせるか。「死を受け入れるのはむずかしい」と人は言うが、その達人はいるのか、楽な方法はあるのか。悔いなき人生をまっとうするには?

  • R.I.P

    『R.I.P. 安らかに眠れ』
    講談社 2021/11/26

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    優しかった兄が、三人もの自殺志願者を殺めた――。世間から極悪人と糾弾される村瀬真也。連続凶悪事件を犯した兄が語り始める不可解な動機を解き明かそうと、妹の薫子は奔走するが、一線を越えてしまった真也の「知らなかった一面」に衝撃を受ける。自殺志願者を次々殺めた男の告白から見えてきた真実とは――。行きすぎた正義と、無関心な親切は、どちらが正しいのだろうか。誰もが目を逸らしたくなる問題に、著者自身も懸命に向き合い書き下ろした長編小説。

  • 祝葬

    『祝葬』
    講談社文庫 2020/11/13

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    「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。 代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという...。簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。

  • 生かさず、殺さず

    『生かさず、殺さず』
    朝日新聞出版 2020/6/5

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    認知症の患者も、がんや糖尿病などさまざまな病気を患う。彼らをどのように治療すべきか。一般の患者なら、検査や治療に協力も得られるが、認知症の患者はスムーズにはいかない。認知症患者専門病棟「にんにん病棟」では、主人公の医長の三杉や看護師たちが、日々認知症相手ならではの奮闘を続けている。とりわけ看護師たちの苦労は並大抵ではない。治療が認知症患者に必要以上の苦痛をもたらすとき、いったい医師は、どのような治療を選択すればよいのか。そこにある葛藤と逡巡を描き切った認知症小説の決定版。

  • 黒医

    『黒医』
    角川文庫 2019/12/24

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    努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
    ●吉村萬壱さんのレビュー(カドブン)

  • 告知

    『院長選挙』
    幻冬舎文庫 2019/8/6

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    国立大学病院の最高峰、天都大学医学部附属病院。その病院長・宇津々覚が謎の死を遂げる。死因は不整脈による突然死という公式発表の裏で、自殺説、事故説、さらに忙殺説がささやかれていた。新病院長の候補者は4人の副院長たち。「臓器のヒエラルキー」を口にして憚らない心臓至上主義の循環器内科教授・徳富恭一。手術の腕は天才的だが極端な内科嫌いの消化器外科教授・大小路篤郎。白内障患者を盛大に集めては手術し病院の収益の四割を上げる眼科教授・百目鬼洋右。古い体制の改革を訴え言いにくいこともバンバン発言する若き整形外科教授・鴨下徹。4人の副院長の中で院長の座に着くのは誰か? 選挙運動真っ盛りのその時、宇津々院長の死に疑問を持った警察が動きだした…。

  • 告知

    『告知』
    幻冬舎文庫 2018/10/10

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    在宅医療専門看護師のわたしは日々、終末期の患者や家に籠る患者とその家族への対応に追われる。治らないがん、安楽死、人生の終焉……リアルだが、どこか救われる6つの傑作連作医療小説。

  • 虚栄(上)

    『虚栄(上)』
    角川文庫 2017/9/23

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    診断から死まで二カ月。凶悪な「変異がん」が蔓延、政府はがん治療のエキスパートを結集、治療開発の国家プロジェクトを開始。手術か、抗がん剤か、放射線治療か、免疫療法か。しかしそれぞれの科は敵対し。
    がん治療を巡る各科の熾烈なポジション争い。医療サスペンス!

  • カラダはすごい!

    『カラダはすごい! モーツァルトとレクター博士の医学講座』
    扶桑社新書 2017/4/30

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    医療小説の名手・久坂部羊が自らの臨床経験をもとに語りつくす、世にも楽しい医学講座。モーツァルト、レクター博士、手塚治虫、ドストエフスキー、芥川龍之介、ゴッホ、デビットボウイなど、文学や映画、芸術を切り口に人体の不思議を紐解いてゆきます。レクター博士に脳ミソを喰われても痛くないってホント? モーツァルトの耳はヘン? 「医療商人」にダマされない方法とは? 面白くて眠れなくなるカラダのトリビア満載!

  • 芥川症文庫

    『芥川症』
    新潮文庫 2016/12/23

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    父の死因とは一体何だったのか?食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全7篇。
    ●「図書新聞」芥川の名作を医療系物語に改編

  • 第五番

    『第五番 無痛Ⅱ』
    幻冬舎文庫 2015/8/5

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    薬がまったく効かない新病・新型カポジ肉腫が列島に同時多発。一方ウィーンでは天才医師・為頼がWHOの奇妙な関連組織メディカーサから陰謀めいた勧誘を受ける。『無痛』の続編となる壮大なミステリ。

  • 芥川症

    『芥川症』
    新潮社 2014/6/20

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    あの名作が現代の病院によみがえる―文豪驚愕の医療小説!医師と芸術家の不気味な交流を描く「極楽変」。入院患者の心に宿るエゴを看護師の視点で風刺する「クモの意図」。高額な手術を受けた患者と支援者が引き起す悲劇「他生門」。介護現場における親子の妄執を写し出す「バナナ粥」。芥川龍之介の代表作に想を得て、毒とユーモアに満ちた文体で生老病死の歪みを抉る超異色の七篇。
    ●shinchoLIVE!「医療小説の罪と罰」

  • 医療幻想

    『医療幻想 ─「思い込み」が患者を殺す』
    ちくま新書 2013/2/5

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    日本医療の実態とは、どのようなものなのか?「点滴は血液を薄めるだけ」「消毒は傷の治りを遅くする」「抗がん剤ではがんは治らない」「健康診断に熱心な人ほど早死にする」…。驚くべき実態に迫り、医者と患者の間にある壁の正体を明るみにする。医師会・厚労省・マスメディアなどの生み出す幻想の実態を晒し、これからの日本医療のあり方を問いなおす。ベストセラー作家でもある医師による、渾身の日本医療論。

  • 神の手(上)

    『神の手(上)(下)』
    幻冬舎文庫 2012/5/9

    末期がん患者の激痛を取り除くため外科医白川は安楽死を選んだ。が、そこから安楽死法制定と背後に蠢く政官財の陰謀に呑み込まれていく。 敵対する医師会を解散させ勢力を拡大する医師組織JAMAと後ろ楯大物政治家。両者の思惑どおり安楽死法は制定に向かう。やがて発覚するJAMA内部抗争と代表新見のスキャンダル。次々に抹殺される核心に近づく者たち。そして発表された安楽死専用薬ケルビム。すべてを操る“センセイ” の正体とは?すぐそこにある現実を描いた傑作長編小説。

  • 大学病院のウラは墓場

    『大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す』
    幻冬舎新書 2006/11

    心臓外科医が四人連続患者を死なせたがそれを「トレーニング」とうそぶいた(東京医大)、未熟な医師がマニュアルを見ながらの内視鏡手術で死なせた(慈恵医大青戸)、人工心肺の操作ミスで死なせたあとカルテを改竄(東京女子医大)。なぜ医療の最高峰ともいうべき大学病院は事故を繰り返し患者の期待に応えられないのか。驚くべき実態と医師のホンネに迫り、医者と患者の間に立ちはだかる本質的な壁を浮き彫りにした。

  • 老父よ、帰れ

    『老父よ、帰れ』
    朝日文庫 2023/3/7

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    認知症の父親を施設から自宅マンションに引きとると決めた矢部好太郎。家族の協力を得て自宅介護を始めるも、食事に排泄の介助とままならぬことばかり。隣人からは過度に問題視され……。高齢者医療を知る医師でもある著者が介護をめぐる家族の悲喜劇を描く。

  • MR

    『人はどう死ぬのか』
    講談社現代新書 2022/3/16

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    誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期をを迎えるかを知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」。

  • MR

    『MR』
    幻冬舎 2020/4/14

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    大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化する。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、外資のライバル社タウロス・ジャパンによる苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は?注目集める医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説の傑作!

    ●北上次郎さんの書評(日刊ゲンダイDEGITAL)

  • 善医の罪

    『善医の罪』
    文藝春秋 2020/10/23

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    クモ膜下出血で運ばれてきた横川達男。彼の手術の執刀医白石ルネは、これ以上の延命は難しいと本人の意志もあり治療中止を決意する。横川の苦しむ様子に耐えられない家族も同意し、白石は横川を尊厳死に導いた。 数年後、白石が記したカルテと、看護師のメモの食い違いが告発される。メモには白石が筋弛緩剤を静脈注射したとあった。事態は病院中を巻き込んだ大問題になり、やがてマスコミがかぎつけ、白石を名医と感謝していた遺族は考えを変え、彼女を告訴する。 どこで歯車がくるってしまったのか。外科医に鬱屈を抱える麻酔科医、保身にはしる先輩外科医、女性としてルネに劣等感を感じる看護師。 様々な思惑が重なり合い、事態は思わぬ方向へと転がる...。現役医師が圧倒的なリアリティで描いたスリリングな医療小説。

  • 怖い患者

    『怖い患者』
    集英社 2020/4/3

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    区役所に勤務する愛子は同僚女子の陰口がきっかけで、たびたび発作を起こすようになる。心療内科で受けたパニック障害という診断に納得できず、いくつもの病院を渡り歩くが…(「天罰あげる」) 介護施設を併設する高齢者向けのクリニックには、毎日多くのお年寄りが集まってくる。脳梗塞で麻痺のある人、100歳近い超高齢者、150kg近い体重で車椅子生活を送る人。利用者みなに快適に過ごしてほしいと施設長は願うが、老人たちにはもめごとが絶えず…(「老人の園」)
    ●吉村萬壱さんとの対談(青春と読書)

  • オカシナ記念病院

    『オカシナ記念病院』
    KADOKAWA 2019/12/20

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    離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、薬の処方は患者の言いなり、患者が求めなければ重症でも治療を施そうともしない。反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を取り入れようとするが、さまざまな問題が浮き彫りになっていき―。現代の医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける。著者渾身の医療エンターテインメント。

    ●試し読みはこちら(KADOKAWA)

    ●中山祐次郎さんのレビュー(カドブン)

  • 老父よ、帰れ

    『老父よ、帰れ』
    朝日新聞出版 2019/8/7

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    45歳の矢部好太郎は有料老人ホームから認知症の父・茂一を、一念発起して、自宅マンションに引き取ることにした。好太郎は介護の基本方針をたててはりきって取り組むのだが……。隣人からの認知症に対する過剰な心配、トイレ立て籠もり事件、女性用トイレ侵入騒動、食事、何より過酷な排泄介助…。ついにマンションでは「認知症対策」の臨時総会が開かれることになった。 いったい家族と隣人はどのように認知症の人に向き合ったらいいのか。

  • 祝葬

    『祝葬』
    講談社 2018/2/15

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    「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。 代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという...。  簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。

    ●『祝葬』特設サイト(講談社)
    ●「女性自身」今週の本(光文社)

  • 老乱

    『虚栄(下)』
    角川文庫 2017/9/23

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    がん治療開発国家プロジェクトは、治療の主導権を巡り内紛状態となった。その現実に胸を痛めた外科講師・雪野は、内科医の赤崎に相談するが、赤崎は雪野を利用し内科が有利になるよう画策をし…。
    医学界の裏側を描く医療サスペンスの結末は。

  • 老乱

    『悪医』
    朝日文庫 2017/3/7

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    第3回日本医療小説大賞受賞作!
    がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郎はがんが再発したあと、外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。

  • 老乱

    『老乱』
    朝日新聞出版 2016/11/7

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    在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な”真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。
    ●新著「老乱」の発刊に寄せて

  • ブラックジャック

    『ブラック・ジャックは遠かった 阪大医学生ふらふら青春記』
    新潮文庫 2016/2/1

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    手塚治虫の母校、『白い巨塔』の舞台としても知られる大阪大学医学部。アホな医学生にとって、そこは「青い巨塔」だった。個性的すぎる級友たち、さまざまな初体験、しょうもない悩み。やがて解剖実習を体験し、研修医として手術に立ち会うことに。若き日に命の尊厳と医療について悩み、考えたことが作家・久坂部羊の原点となった。笑いと深みが絶妙にブレンドされた青春エッセイ!

  • 人間の死に方

    『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』
    幻冬舎新書 2014/9/30

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    2013年、87歳で亡くなった父は元医師だが、医療否定主義者だった。不摂生ぶりも医者の不養生の限度を超えていた。若いころ、糖尿病になったが血糖値も測らず甘い物食べ放題の生活を続けながら勝手にインシュリンの量を増やして自然治癒させた。前立腺がんになっても「これで長生きせんですむ! 」と叫び治療を拒否。こんなふうに医学常識を無視し自由奔放に暮らした。そんな父が寝たきりになって1年数カ月、医療や介護への私自身の常識が次々と覆った。父から教わった医療の無力と死への考え方をご紹介したい。

  • 嗤う名医

    『嗤う名医』
    集英社 2014/2/26

    天才的心臓外科医の隠された顔、最高の治療の為には誰にも妥協を許さない名医、患者の嘘を見抜いてしまう医者……。現役の医師が皮肉を交えて医療に携わる人間を描く、ミステリー短編集。


  • 虚栄

    『モーツァルトとレクター博士の医学講座』
    講談社 2012/11/19

    健康診断は健康に悪い?聴診に意味はあるのか? 医療ミステリーの名手が自らの臨床経験をもとに、医学を縦横無尽に論じ尽くす!


  • 糾弾

    『糾弾 まず石を投げよ』
    朝日文庫 2012/1/4

    外科医・三木達志は自らの医療ミスを認め、患者の遺族に賠償金支払いを申し出た。これを究極の誠意と感じたライターの菊川綾乃は取材に乗り出すが、「あれは殺人だった」との手紙が舞い込む。「第3の医療ミス」を糾弾する者と糾弾される者の対立を、テレビ番組「医師を使った心理実験」や1人の外科医の墜落願望を通してえがく傑作!

  • 日本人の死に時

    『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』
    幻冬舎新書 2007/1/26

    あなたは何歳まで生きたいですか?多くの人にとって長生きは苦しく、人の寿命は不公平だ。どうすれば満足な死を得られるか。数々の老人の死を看取ってきた現役医師による“死に時”の哲学。

■ くさかべ・よう

1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院にて外科および麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(2003年)で作家デビュー。