中堅製薬会社のMRである紀尾中は、自社新薬の「診療ガイドライン」第一選択Aグレード決定のために奔走する。決まれば年間売上1000億円超のメガヒット商品となる。難攻不落、MR泣かせの大御所医科大学長からようやく内定を得た直後、外資ライバル社の鮫さめじま島による苛烈で卑劣な妨害工作で一転、新薬はコンプライアンス違反に問われる…。
【雑誌】「月刊神戸っ子」5月号 水木しげる生誕100周年記念 知られざる水木しげるvol.8 2023.5.1発売
【雑誌】「月刊神戸っ子」4月号 水木しげる生誕100周年記念 知られざる水木しげるvol.7 2023.4.1発売
【WEB】「現代新書」せっかく穏やかな「死」を迎えた78歳女性を、わざわざ「蘇生」させるために行われた「非人間的な医療行為」2023.3.31公開
【WEB】「現代新書」人生に一度きりの「死」を後悔に満ちたものにしないために…「上手な最期」の迎え方 2023.3.28公開
【WEB】「現代新書」大丈夫、「死」には慣れます…難しくない、受け入れればきっと「恐怖」はなくなります 2023.3.25公開
【WEB】「現代新書」パプアニューギニアの「ウィッチドクター」が教えてくれた「死」の自然な受け入れ方 2023.3.22公開
【書籍】『「幸福な死に方」入門』(宝島社)特別インタビュー 2023.3.14発売
「冴えてる一言 〜水木マンガの深淵より」久坂部 羊
少年のころから水木しげる作品に親しみ、その影響を公言してはばからない久坂部羊が、水木マンガに登場する名セリフの真意にせまります。2020.7〜2021.7
●このWEB連載が書籍になりました!
『冴えてる一言~水木しげるマンガの深淵をのぞくと「生きること」がラクになる~』
光文社 2022.2
→Amazon
→楽天ブックス
「オンリー・イエスタデイ」久坂部 羊
児童から青年となるまで、つねに刺激を受け畏怖の念さえ抱いていた奇才の「親友」との出会いともつれ。小説家久坂部羊の着眼と発想の原点を回顧する青春エッセイ。2018.4〜2020.7
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『カネと共に去りぬ』
新潮社 2017/11/22ある朝、心が毒虫のように変容した外科医の葛藤を描く「変心」、安楽死を遂げた妻が託した遺言の謎を追う「予告された安楽死の記録」、高級老人ホームを舞台にした資産家達の老いらくの恋と分断の物語「カネと共に去りぬ」など、世界の名だたる文学作品を換骨奪胎! 現代医療の嘘と欺瞞を鋭く抉る、劇薬揃いの異色短編集。
●試し読み
●『波』世界の名作と共鳴する現代医療の真実と嘘(新潮社)
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『テロリストの処方』
集英社 2017/2/3医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。若くして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも、脅迫状が届く。医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。三人は医大時代の同級生だったのだが...。
●刊行記念インタビュー
「RENZABURO」
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『虚栄』
角川書店 2015/10/2凶悪化がん治療国家プロジェクト「G4」の発足に、外科医・雪野は期待を抱いた。手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法。四グループの邂逅は陰謀に満ちた覇権争いに発展。がん医療の最先端をサスペンスフルに描く!
●『虚栄』刊行記念インタビュー「カドナビ」
●ロングインタビュー「新刊展望」
●「週刊現代」インタビュー
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『いつか、あなたも』
実業之日本社 2014/9/11在宅医療専門クリニック看護師のわたし(中嶋享子)と新米医師の三沢、クリニック院長の一ノ瀬らが様々な患者本人と家族、病とその終焉、そして安楽死の問題にも向き合う。カルテに書かれることのない医療小説、六つの物語。
●『いつか、あなたも』によせて
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『悪医』
朝日新聞出版 2013/11/7●第3回日本医療小説大賞受賞作
「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。 がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郎はがんが再発したあと、外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。「私にすれば、死ねと言われたのも同然」と、小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。ひくにひけない命という一線を、患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。
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『無痛』
幻冬舎文庫 2008/9/24神戸の閑静な住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場と多くの遺留品から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。外見だけで症状が完璧にわかる驚異の医師・為頼が連続殺人鬼を追いつめる。
●2015年10月、西島秀俊、伊藤英明主演でフジTVドラマ化されました!
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『廃用身』
幻冬舎文庫 2005/4/21廃用身とは麻痺して動かず回復しない手足をいう。患者の同意の下、廃用身を次々と切断する医師漆原。告発するマスコミ。はたして漆原は悪魔か?久坂部羊の衝撃的な小説デビュー作。
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『黒医』
角川文庫 2019/12/24努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
●吉村萬壱さんのレビュー(カドブン)
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『院長選挙』
幻冬舎文庫 2019/8/6国立大学病院の最高峰、天都大学医学部附属病院。その病院長・宇津々覚が謎の死を遂げる。死因は不整脈による突然死という公式発表の裏で、自殺説、事故説、さらに忙殺説がささやかれていた。新病院長の候補者は4人の副院長たち。「臓器のヒエラルキー」を口にして憚らない心臓至上主義の循環器内科教授・徳富恭一。手術の腕は天才的だが極端な内科嫌いの消化器外科教授・大小路篤郎。白内障患者を盛大に集めては手術し病院の収益の四割を上げる眼科教授・百目鬼洋右。古い体制の改革を訴え言いにくいこともバンバン発言する若き整形外科教授・鴨下徹。4人の副院長の中で院長の座に着くのは誰か? 選挙運動真っ盛りのその時、宇津々院長の死に疑問を持った警察が動きだした…。
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『芥川症』
新潮文庫 2016/12/23父の死因とは一体何だったのか?食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全7篇。
●「図書新聞」芥川の名作を医療系物語に改編
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『嗤う名医』
集英社文庫 2016/8/19天才的心臓外科医の隠された顔、最高の治療の為には誰にも妥協を許さない名医、患者の嘘を見抜いてしまう医者…。現役医師が描く、リアルで怖くて面白いミステリー短編集。(解説/仲野徹)
●「寝たきりの殺意」試し読み
●『嗤う名医』スペシャルムービー(クリックすると音が出ます)
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『芥川症』
新潮社 2014/6/20あの名作が現代の病院によみがえる―文豪驚愕の医療小説!医師と芸術家の不気味な交流を描く「極楽変」。入院患者の心に宿るエゴを看護師の視点で風刺する「クモの意図」。高額な手術を受けた患者と支援者が引き起す悲劇「他生門」。介護現場における親子の妄執を写し出す「バナナ粥」。芥川龍之介の代表作に想を得て、毒とユーモアに満ちた文体で生老病死の歪みを抉る超異色の七篇。
●shinchoLIVE!「医療小説の罪と罰」
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『神の手(上)(下)』
幻冬舎文庫 2012/5/9末期がん患者の激痛を取り除くため外科医白川は安楽死を選んだ。が、そこから安楽死法制定と背後に蠢く政官財の陰謀に呑み込まれていく。 敵対する医師会を解散させ勢力を拡大する医師組織JAMAと後ろ楯大物政治家。両者の思惑どおり安楽死法は制定に向かう。やがて発覚するJAMA内部抗争と代表新見のスキャンダル。次々に抹殺される核心に近づく者たち。そして発表された安楽死専用薬ケルビム。すべてを操る“センセイ” の正体とは?すぐそこにある現実を描いた傑作長編小説。
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『破裂(上)(下)』
幻冬舎文庫 2007/8/2医者は、三人殺して初めて一人前になる??エリート助教授、内部告発する若き麻酔医、医療の国家統制を目論む官僚らが交錯し事件が!大学病院を克明に描いたベストセラー医療ミステリ。
●2015年10月、椎名桔平、仲代達矢主演でNHKドラマ化されました!
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『MR』
幻冬舎 2020/4/14大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化する。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、外資のライバル社タウロス・ジャパンによる苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は?注目集める医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説の傑作!
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『善医の罪』
文藝春秋 2020/10/23クモ膜下出血で運ばれてきた横川達男。彼の手術の執刀医白石ルネは、これ以上の延命は難しいと本人の意志もあり治療中止を決意する。横川の苦しむ様子に耐えられない家族も同意し、白石は横川を尊厳死に導いた。 数年後、白石が記したカルテと、看護師のメモの食い違いが告発される。メモには白石が筋弛緩剤を静脈注射したとあった。事態は病院中を巻き込んだ大問題になり、やがてマスコミがかぎつけ、白石を名医と感謝していた遺族は考えを変え、彼女を告訴する。 どこで歯車がくるってしまったのか。外科医に鬱屈を抱える麻酔科医、保身にはしる先輩外科医、女性としてルネに劣等感を感じる看護師。 様々な思惑が重なり合い、事態は思わぬ方向へと転がる...。現役医師が圧倒的なリアリティで描いたスリリングな医療小説。
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『怖い患者』
集英社 2020/4/3区役所に勤務する愛子は同僚女子の陰口がきっかけで、たびたび発作を起こすようになる。心療内科で受けたパニック障害という診断に納得できず、いくつもの病院を渡り歩くが…(「天罰あげる」) 介護施設を併設する高齢者向けのクリニックには、毎日多くのお年寄りが集まってくる。脳梗塞で麻痺のある人、100歳近い超高齢者、150kg近い体重で車椅子生活を送る人。利用者みなに快適に過ごしてほしいと施設長は願うが、老人たちにはもめごとが絶えず…(「老人の園」)
●吉村萬壱さんとの対談(青春と読書)
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『オカシナ記念病院』
KADOKAWA 2019/12/20離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、薬の処方は患者の言いなり、患者が求めなければ重症でも治療を施そうともしない。反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を取り入れようとするが、さまざまな問題が浮き彫りになっていき―。現代の医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける。著者渾身の医療エンターテインメント。
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『祝葬』
講談社 2018/2/15「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。 代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという...。 簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。
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『老乱』
朝日新聞出版 2016/11/7在宅医療を知る医師でもある著者が描く迫力満点の認知症小説。老い衰える不安をかかえる老人、介護の負担でつぶれそうな家族、二つの視点から、やっと見えてきた親と子の幸せとは?現実とリンクした情報満載の新しい認知症介護の物語。医師、家族、認知症の本人のそれぞれの切実な“不都合な”真実を追いながら、最後にはひと筋の明るいあたたかさのある感動の長篇小説。
●新著「老乱」の発刊に寄せて
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『嗤う名医』
集英社 2014/2/26天才的心臓外科医の隠された顔、最高の治療の為には誰にも妥協を許さない名医、患者の嘘を見抜いてしまう医者……。現役の医師が皮肉を交えて医療に携わる人間を描く、ミステリー短編集。
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『糾弾 まず石を投げよ』
朝日文庫 2012/1/4外科医・三木達志は自らの医療ミスを認め、患者の遺族に賠償金支払いを申し出た。これを究極の誠意と感じたライターの菊川綾乃は取材に乗り出すが、「あれは殺人だった」との手紙が舞い込む。「第3の医療ミス」を糾弾する者と糾弾される者の対立を、テレビ番組「医師を使った心理実験」や1人の外科医の墜落願望を通してえがく傑作!
■ くさかべ・よう
1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院にて外科および麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(2003年)で作家デビュー。